SilverRainファンサイト。船長(故)とその妹によるモーラット虐待系ブログ……ではないはず。
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……
……こほん。
あー。テステス。届くのだろうか。
最早残留思念と成り果てたこの身。最後の力で、この声を送ろう。
……こほん。
あー。テステス。届くのだろうか。
最早残留思念と成り果てたこの身。最後の力で、この声を送ろう。
さて。
このような事態になるとは、俺自身余り考えていなかった。
メガリスの破壊による生命讃歌、その力に突き動かされ無茶をし過ぎた、のだろうな。
重傷でも尚動く手足。生死の境目を、一度だけ越えられるという学園の言葉を……解釈し損ねた、俺の責任だ。
そう、これは全て、俺の責任である。誰でもない、俺の。
PMGの方針に従い、わがままなお嬢さんの為に一般人救出に向かった。
そこで深手を負った。
ここまでは問題無い。想定通りだった。
ああ、お嬢さんには直接言ってないが、想定の内だ。救えない事も、全てな。
コマンダーの会話には一応目を通していた。無駄な戦いだとは知っていたさ。
さて、その後、俺がどうしてあのような無茶をしたか……だな。
何、どうという話でもない。屋敷に向かう姿を見てしまったのだ。たった二度だけ、戦いを共にした女性の姿を。
そして伝令から流れる声。屋敷は激戦区。駅出撃者は屋敷の援護に迎え、との声。
俺は彼女と約束していた。
約束なんてものでもなかった。「また、守ってくれる?」との彼女の問いに、曖昧に笑っただけだ。
俺は屋敷へ向かった。
勿論、死ぬつもりは無かった。彼女の援護に向かうだけだった。
だが、蜘蛛の大群に襲われる彼女を見て、俺は飛び出した。
あの時、守ってくれるか、と彼女は問いかけていた。
ならば、俺のする事は一つだ。
仲間の退却を見届け
ボロボロの身体に鞭打ち
傷だらけのガトリングを杖に
笑う膝を押さえつけ立ち上がり
迫る蜘蛛に、不敵な笑みを浮かべて言うだけだ。
「銀誓館の旗は、そう簡単には降ろせはしない」
以上。
戦局を読み違え、個人の情に動かされ、命を失った――船長失格の男の戯言だ。
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