１０年後バトン（遥）

「もきゅ」
「何、コレ。コネコから？バトン？」
「もきゅ」
「……ふうん。仕方無いわね」

【10年後バトン】


①10年前、あなたはどんな人になりたかったですか？
……ちょっと。私、４歳よ？
何になりたいなんて覚えてるはずが無いじゃないの！？

「もきゅ」

え？大きくなりたい？
……そ、そんな事言ったかしら。

②現在、10年前になりたかった自分になれてると思いますか？
いやだから。
４歳の記憶なんて曖昧よ。

んー、大きくなれてはいないわね。母親似なのかしら。
兄貴は背が高かったけど、私は小さいまま。

③10年前と比べてあなたは何を得ましたか？
……さあ。
余計な物は増えたけど、欲しい物はさっぱり、ね。


④10年前と比べてあなたは何を失いましたか？
穏やかな日常。
当たり前のような、家族団欒……かしら。

まあ、この程度なら、銀誓館に集う能力者の中じゃ不幸話にもならないわね。
幽閉だの、一家惨殺だの。うちは両親が健在だし、まだ恵まれてる方じゃないかしら？

⑤10年後、あなたはどんな人になりたいですか？
さあ？
そうね。普通にＯＬにでもなってるんじゃないかしら。

⑥でも現実を踏まえると10年後の自分はどうなってると思いますか？
ああ、そうね。
能力者に普通が成り立つ訳、無いわよね。

……きっと、どこかで戦ってるわよ。実力相応の、小さな戦いを繰り広げてるわ。多分ね。

⑦10年後、なりたい自分になるために必要なものって何だと思いますか？
その時になって初めて分かるんじゃないかしら。
単に力かもしれない。知識かもしれない。もしくは友達かも、ね。

⑧10年後、なりたい自分になるために
そうね。まあ、時間が嫌でも解決してくれるんじゃないかしら。
ほら、色々と、ね。

⑨10年後の自分に一言お願いします
そろそろ落ち着いたかしら？
昔の自分を思い出して、恥ずかしくなってる頃かしら。
それとも、まだまだバカな事やってる？……ま、風任せよね、基本的に。

⑩次に回す人は？？？
（モーラットにバトンを食べさせる）