フランケンシュタインの花嫁（遥）

新ジョブ、ね。
まさか悪夢に囚われていた能力者とは、思わなかったわ。

フランケンシュタイン。
博士の名前。元々は、怪物の名前じゃない……はず。
怪物は自らの伴侶を求め、そして、伴侶に拒絶される。

それは、怪物だったから。

伴侶も、怪物なのにね？

……怪物は、能力者のメタファーかしら。



「……」
「もきゅ？」
「バカ兄貴の遺体、取っておけば良かったかしら」
「！！」
「……なんでアンタが驚いてるのよ。ああ、使役ゴーストとしてのお役御免だから？」
「もきゅーん」
「涙目にならなくてもいいわよ。灰にしてバラ撒いたから、実現は不可能だし……」

ほわんほわんほわん（想像音）

――



「行け兄貴ッ！」
「……フンガーとか言わなきゃダメか」
「当たり前よ？」
「……フンガー」
「声が小さいッ！」

――

「やめましょう。フンガーは無いわ」
「……きゅ」